東京都築37年低層マンションの一室。
料理やホームパーティー、旅行が好きな夫婦のライフスタイルに合わせ、水回りの刷新も含めリノベーションしました。
Before空間は壁と扉が多く、玄関も廊下も狭くて閉塞感がありました。
マンションには珍しく南北にバルコニーがあり各部屋大きな窓がある間取りでしたが、廊下と玄関で空気の流れが止まっていました。
「窓をあければ家中に光と風がぬける家にしたい」
そう思い、レイアウトを考えました。
まず狭くて1人が通るのがやっとの玄関は、壁と靴箱を撤去してスペースを広げました。
壁が無くなったことで窓がもう一つ現れ、光溢れる空間となりました。
土間は廊下と同じタイルを貼り、新設したシュークローゼットの扉を鏡貼りにしたことで、面積以上の広がりを感じられます。
コンソールテーブルやランプで設えることで、玄関というよりも居室のように感じられる居心地の良い空間となりました。(この場所にテーブルランプを置くことを想定して、リノベーション時にコンセントを設けています。)
廊下は構造の問題で幅は変えられませんでしたが、床をタイル仕上げに、玄関からLDKまで扉を設けずに一続きの間とすることで、空間の広がりを持たせるようにデザインしています。
廊下からアクセスできる洗面台も設けることで、来客も気兼ねなく手を洗えるように工夫しました。
南北の部屋の窓を開ければ、気持ちの良い風が廊下を通り抜けていきます。
「ただ通るだけ」の役割しかなかったスペースが、この家に欠かせない豊かで居心地の良い空間に生まれかわりました。