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椅子やソファ張り替えのメリット&インテリアへの取り入れ方

こんにちは。EY DESIGNインテリアデザイナー山口恵実です。
今日は椅子やソファ張り替えのメリットや弊社の事例をご紹介します。
張り替えには既製品には無い魅力が十分にあります!
ぜひ楽しさを知っていただきインテリアに取り入れてみてください。
本記事がきっかけになりましたら嬉しいです。

イギリスでは家具の張り替えは一般的
~3ポンドの椅子を500ポンドの生地で張り替えた優勝者

数年前、youtubeで英国の素人インテリアデザインコンペ番組を見る機会がありました。(とてもレベルが高くて素人とは思えないセンスと技術力でした)
あるシーズンの優勝者が自宅でインタビューを受けた際に、横に高級感のある青いベルベットのチェアがありました。インタビューアーがそのチェアについて指摘すると、
「このチェアかっこいいでしょう?アンティークマーケットで3ポンドで購入して、500ポンドの生地で張り替えたの」と返答。
え~!!3ポンドの椅子!?
ボロボロな椅子でも上質な生地に張り替えてアップサイクルすることで、見違えるほど美しい椅子に生まれ変わると知った瞬間でした。

その後英国で長年活躍されたインテリアデザイナーからデザインの極意を学び、ロンドンのデザイン学校に行ったのですが、英国では家具の張り替えやメンテナンスはごく一般的に行われていることを知ります。

各町に何件も椅子張り替えの専門業者があり、素人でも自分で生地を選んで椅子を張り替えます。
インテリアデザイナーがヴィンテージ家具をおしゃれな生地で張り替えて、空間のキーピースになるアイテムに昇華させることは一般的に行われています。
だからイギリスのインテリアには彩と個性があるのです。

EY DESIGNブログ椅子張り替え

日本では新品が好まれがち?

日本では椅子の張り替えはあまり普及していません。
一般の方はそんな選択肢があることを知らない方も多いですし、インテリアコーディネーター等のプロも、収益・リスク・納期・手間の観点から、古い家具をメンテナンスするよりも新品の家具を提案することを好みます。
それらも理由のひとつなのか、日本は似たような新品家具のインテリアが多いなというのは、インテリア業界に入る前から感じていました。

でも最近のお客様はヴィンテージや古い家具に抵抗感が無い方も増えています。
プロが積極的にメリットを伝えて提案すれば、張り替えを視野にいれる方も増えていくでしょう。
中古マンションを購入しリノベーションすることが一般的になっていますから、古い家具もリノベーションで生まれ変わらせる方法もありです。

ファブリックの魅力は無限大。ファッションのように大胆なスタイルを楽んで!
張り替える楽しさと魅力をお客様にも伝えたいですし、実践していきたいと思い、弊社では可能な限り家具の張り替えをデザインの中でご提案しています。

一番取り入れやすいのは、ダイニングチェアの張り替え

お客様がアメリカ駐在中に購入したWest Elmのダイニングチェア。
愛着があるので新居でも使いたいけれど、色あせて古くなっているため処分しようか…と悩んでいたところ、張り替えをご提案しました。座面は擦れて使用感が出ていましたが、椅子のフレームは使い込まれた飴色が良い雰囲気。

EY DESIGNブログ椅子張り替え


ご新居のインテリアテーマに合わせてイギリスROMOのEttoという生地をご提案しました。
同じ椅子とは思えないほど、可愛らしく仕上がりました。

EY DESIGNブログ椅子張り替え

変身したチェアをご覧になったお客様が「この椅子もう一脚あったのだけれど、アメリカで処分してしまって…あのとき処分しなければ良かった…」と後悔されていました。

ラウンジチェアの張り替え

6年前に購入したAlfrexラウンジチェアを張り替えた事例です。
座面が擦れの色あせが目立ちます。

EY DESIGNブログ椅子張り替え

「新居のインテリアに合わなければ、山口さんの判断で処分して良いですよ」とお客様はおっしゃっていたのですが、せっかく質が良く座り心地の良いチェアですので、張り替えでイメチェンすることをご提案しました。

インテリアテーマに合わせて、イギリスROMOのQuinteroという幾何学生地を選びました。
程よい光沢感と高級感があり、カラフルで遊び心があります。
ユニークな1脚に変身しました。

EY DESIGNブログ椅子張り替え


背面は紺色のレザーを再利用しています。
「背面のレザーを傷つけないように剥がして再利用し、新しい座面のファブリックと組み合わせる」というのが非常に手間のかかる作業だったようで(メーカーの仕様上、椅子の後脚が取れないという加工の難しさもあり)、張り替え工場から「背面の足元の加工がうまくいかないかもしれない」という連絡があったのですが、結果的に熟練の職人さんが解決方法を見つけて綺麗に仕上げてくださいました。
ドキドキしましたが、変身したチェアにお客様も喜んでくださいました。

ラウンジチェアの張り替え

ラウンジチェア2脚を張り替えた事例です。フランスPHILIPPE HURELのラウンジチェア。
シンプルなアイボリーのベルベット生地でしたが、リビングのインテリアに合わせて張り替えを行いました。

EY DESIGNブログ椅子張り替え

選んだ生地は、フランスMISIAのアールデコスタイルの幾何学柄生地とオーストラリアWarwickの無地。
パイピングも施し、ラグジュアリーで個性的なチェアに生まれ変わりました。
こんな椅子は既製品では絶対に売っていません!

EY DESIGNブログ椅子張り替え

オークションで競り落とした高級ソファの張り替え

張り替えの中では、ソファが一番ハードルが高いかもしれません。
生地の使用量が多いため、張り替えでも結構な金額になります。
ただ円安で欧州のラグジュアリーブランド家具が毎年値上がり、ソファ1台で300万円~なんて価格帯が増える中、質の良い中古ラグジュアリーソファを張り替えて、モダンに蘇らせる方法は一つの選択肢としてありだと思います。

これは私の自邸の事例です。
ドイツの高級家具ブランド、ロルフベンツのソファ。
新品だと150万円超のソファですが、オンライン中古家具オークションで破格の値段で競り落とし(金額は内緒)、約50万円かけて張り替えを行ってよみがえらせました。
まさに冒頭でご紹介したイギリスのインテリアデザインコンペ優勝者のような事例です。

EY DESIGNブログ椅子張り替え


掲載できるBeforeの写真がないのですが、それはオンラインで実物を見ずに購入し、そのまま張り替え工場に直送したため、Before写真を撮れなかったからです(自邸ゆえ、リスクの高い発注方法です)
案の定、届いたソファのアームが壊れていて、張り替え工場の皆様にはご迷惑をおかけしましたが、さすが品質に定評のあるロルフベンツ、中のウレタンは綺麗で状態がしっかりしていました。
グリーンの張地で個性的によみがえり、今ではリビングのシンボル的存在になっています。

「質の良い家具は、古くともメンテナンスで生まれ変わる」ということを証明した一例となりました。
これはたまたま良いサイズ・状態のソファが良いタイミングで見つかったので幸運でした。

もし時間に余裕があり、中古でもOKで何よりリスクを許容できるのでしたら、オークションを活用する方法も一案かもしれません。



上記以外の事例でも、弊社では最近ホテルのレストラン会場のインテリアデザインで、古いイタリアのチェア20脚以上の座面を張り替え、椅子を塗装し直して再利用したという事例もあります。


イギリス流「家具を張り替えて新しく蘇らせる」は、サステイナブルの観点からも良いですし、インテリアをより魅力的にしてくれます。

椅子やソファの張り替えは、選ぶ生地によっては結構な金額になるケースもありますが、高い新品家具を買って引越毎に買い替えるを繰り返すよりも、長い目で見ればコストパフォーマンスは良いです。

何より個性的に張り替えた家具は世界で一つの特別感と愛着を感じられます。
使うたびに心豊かになります。
なんて素敵なことでしょう!
ぜひ選択肢のひとつとして検討してみてください。

EMI YAMAGUCHI


山口恵実(Emi Yamaguchi)
インテリアデザイナー
EY DESIGN代表。
海外インテリアのように住み手の個性を表現し細部までこだわったデザインが得意。
ロンドンでインテリアデザインを学ぶ。
外資経営コンサル、おもてなし料理&スタイリング教室で働いた経験をもつ。
先進国の日本だが、住居・インテリアのレベルが欧米に比べて低いことに疑問をもち、人を招きやすく豊かな空間づくりを実現するためにインテリア業界へ。
自らリノベーションデザインし、インテリア雑誌の賞にノミネートされた東京都内の築38年マンションに住む。
趣味は旅行・水泳・料理。

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