こんにちは。EY DESIGNインテリアデザイナー山口恵実です。
今日は寝室のデザインに欠かせないヘッドボードの製作事例についてご紹介します。
寝室に納めたヘッドボード。
シングルベッド2台に合わせて、特注ヘッドボードをデザインしました。
構造としては、ベニヤ下地にウレタンを貼り、ベルベッド生地を張り込んでいます。
今日はヘッドボードをデザインする際に役立つポイントを3つお伝えしたいと思います。
検討ポイント1.ヘッドボードのサイズ
ヘッドボードのサイズを検討する際に重要なのが、
①部屋の天井高とのバランス
②ベッドフレーム&マットレスの厚みとのバランス
③ベッドサイド照明とのバランス
この3つです。①②③を展開図でしっかり検討しておかないと、空間に対してヘッドボードが大きすぎたり、貧弱すぎたりしてしまいます。
本事例では、
シングルベッド2台(幅2000)に対して、ヘッドボード幅2100。
マットレス&フレーム厚計605mmの高さに対して、ヘッドボード高さは1220としました。
クッションのスタイリングも映え、天井高2400(梁下2250)ともバランスも良いサイズです。
壁付照明やペンダント照明を設置したり、テーブルライトを置く場合は、ヘッドボードと照明のサイズや位置バランスも検討しておく必要があります。
本事例ではTom DixonのStone Pendant Lightを採用しましたが、リノベーション時に配線を新設すると共に、照明器具はコード長を指示してメーカーでカットしたものを現場に納めてもらいました。
検討ポイント2.ヘッドボードの設置方法
ヘッドボードはいくつかの設置方法があります。
①壁に固定する方法
②ベッドフレームに固定する方法
③自立式
ホテルでは「①壁に固定する方法」が一般的です。建築工事で壁と一体でつくるケースも多いでしょう。
賃貸マンションでは、②や③が取り入れやすいでしょう。
本事例では「②ベッドフレームに固定する方法」を採用しました。
理由はヘッドボード設置壁面が直コンクリートで、マンションのルールでビス打ちNGだったためです。
もともと保有していた木のベッドフレームに、特注製作したヘッドボードを金物で固定しました。
このようにマットレスが当たる部分は、左右から少しひっこめた仕様にしています。
検討ポイント3.搬入経路を考えたデザイン
意外とサイズが大きくなるヘッドボードは、階段・廊下・エレベーターなどの搬入経路に注意が必要です。
本事例では黄色位置で分解して製作&搬入しました。
近くで見ないと継ぎ目が分からないように仕上がっています。
(分割製作したヘッドボードを現場で組み合わせる。搬入可能なサイズで製作することも重要なポイントのひとつ)
特注ヘッドボードの製作は誰に依頼したらよいのか
実はこの質問はインテリアデザイナーやインテリアコーディネーターからよく頂く質問です。
どのような素材を使うかによりますが、このようなベニヤ下地にウレタン貼り、生地張り込みのデザインの場合は、ソファや布張椅子の製作方法と似ていることから、オーダーソファ屋は得意かと思います。特注家具会社への依頼も良いと思います。
もちろんヘッドボードは空間全体とのバランスが重要となりますので、個人のお客様は、弊社のように海外のデザインや特注デザインに慣れているインテリアデザイン会社やインテリアデザイナーにまずご相談されてみてください。
それが最も完成度高く実現できる方法です。
ヘッドボードは様々なサイズ、デザイン、素材、製作方法、設置方法があります。
今回お見せしたのは、ほんの一つの事例です。
ヘッドボードの存在で、寝室のデザイン性も居心地の良さも格段にUPします。
ぜひ住み手ならではの個性的なヘッドボードで、寝室のインテリアを彩ってみてください。
寝室のデザイン含め、リノベーションのご相談・ご依頼をお待ちしております。