ミケランジェロの2つのピエタ像

5月のローマ・フィレンツェ旅のテーマは「古代ローマ・ルネサンス・バロックの芸術を学ぶ」。
数多の芸術作品の中で最も楽しみにしていたのが巨匠ミケランジェロです。

ミケランジェロの2つのピエタ像

左はヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂のピエタ像(25歳の作品)
マリアの見事な洋服のヒダに、愛に満ちた表情…とても美しいですね。
ただガラスで囲まれて、遠くからしか見えず、やや残念でした。

右はフィレンツェのドゥオーモ美術館にあるピエタ像(78歳の作品)
未完成の作品で大理石が原型で残っている部分もありましたが、ミケランジェロの神がかった技術力、執念、神々しさを感じる作品でした。
この作品は触れそうなほど真近でみることができますので、ミケランジェロの作品をじっくり見たい人にはおすすめです。

有名なミケランジェロ作品

絵画で最も有名なものといえば、ヴァチカンのシスティーナ礼拝堂の「天地創造」と「最後の審判」です。

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(写真は公式サイトより)

実物は圧倒的な迫力でした!天井画と壁画は近年約20年かけて大修復が行われました。
気の遠くなるような修復作業の動画があります↓
(英語)The Sistine Chapel Restoration [DOC 1994]

ミケランジェロの絵画の特徴ですが、表現が彫刻的、そして筋肉ムキムキです。
「最後の審判」をご覧いただくと、中央のキリストはじめ、老若男女がターミネーター並みの肉体ということが良く分かります。

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(写真はWikipediaより)

人体を何体も解剖し、身体の仕組みを学んだミケランジェロ。
本当に筋肉(裸体)が大好きなのだなと、実際に作品を目にすると感じます。

フィレンツェのウフィッツィ美術館にある絵画「聖家族」。
筋肉質なマリアに注目される作品ですが、私は背景の裸の民が気になりました(何のためにいるの!?)
有名なダビデ像も鍛え抜かれた若者の肉体美を表現しています。

鍛え上げられた理想美の肉体を愛でる

西洋では2000年以上前の古代ギリシア・ローマ時代から、鍛え上げられた逞しい身体を表現した芸術作品を数多く目にします。街中でも美術館でも。とにかく男性の裸体像が多いですね。
どちらもバチカン美術館↓


古代から芸術として裸体像がつくられ、愛でられていたことに日本文化との違いを感じます。
日本では裸体芸術はほとんど目にしませんから。

イタリアで彫刻を多数目にしながら、ふと映画「トップガン マーヴェリック」を思い出しました。
砂浜でビーチバレーをする上半身裸のトム・クルーズ60歳+若者たち。
あのシーンは「鍛え上げられた理想美の肉体を尊ぶ西洋価値観」の象徴ですよね。


古代からミケランジェロからトム・クルーズまで…2000年以上の時を超えて今も連綿と続いているのでしょう。
改めて日本との文化・歴史・芸術の違いを感じた、興味深い旅となりました。

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EMI YAMAGUCHI
EY DESIGN
インテリアデザイナー山口恵実

英国で習得したデザインセオリーと日本の美意識を融合し、首都圏を中心に新築・リノベーションのインテリアデザインを行う。
好きなもの:歴史&アート巡りの旅

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