TRAVEL

古代からミケランジェロまで、裸が大好きな西洋芸術

こんにちは。EY DESIGNインテリアデザイナー山口恵実です。
前回に続きイタリア旅の報告です。
旅のテーマは「古代・ルネサンス・バロックの芸術を学ぶ」。

数多ある芸術作品の中で私が旅前に楽しみにしていたのが、巨匠ミケランジェロ。

書籍やYoutubeでミケランジェロについて予習をしていきましたが、その人柄は偏屈で頑固、仕事に集中すると何週間も風呂に入らず常に臭く…何よりも筋肉美が大好き!
そんな人柄に興味を持ち、作品を心待ちにしていました。

2つのピエタ像

ミケランジェロの有名な彫刻がヴァチカンのサン・ピエトロ大聖堂のピエタ像。

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25歳の作品。マリアの見事な洋服のヒダに、愛に満ちた表情…美しい大理石の彫刻です。
見学客が多いうえに保護ガラスでカバーされ、近寄れなかったのが残念でした。

フィレンツェのドゥオーモ美術館にあるピエタは近くでしみじみと見ることができました。

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78歳の作品。この作品は未完成です。
石が原型で残っている部分もあり、「石から掘り出された」ことが良く分かります。
高齢になってもノミを持ち、硬い石を掘りつづけたミケランジェロの神がかった技術力、執念、神々しさを感じる作品でした。

システィーナ礼拝堂の「天地創造」と「最後の審判」

ミケランジェロの絵画で最も有名なものといえば、ヴァチカンの「天地創造」と「最後の審判」です。

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(システィーナ礼拝堂は写真NGのため写真は公式サイトより)

実物は圧倒的な迫力。
天井画と壁画は近年約20年かけて大修復が行われました。
気の遠くなるような修復作業の動画があります。ぜひご覧ください。
(英語)The Sistine Chapel Restoration [DOC 1994]

筋肉が大好きなミケランジェロ

さてミケランジェロの絵画の特徴ですが、表現が彫刻的、そして筋肉ムキムキです。

「最後の審判」をご覧いただくと、中央のキリストはじめ、老若男女シュワルツェネッガー並みの肉体であることが良く分かります。

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(写真はWikipediaより)

この絵は完成当初、人物のほとんどが全裸だったのですが、不謹慎と批判され、ミケランジェロの死後に局部を隠すための腰布が追加されました。

人体を何体も解剖し、身体の仕組みを学んだミケランジェロ。
本当に筋肉(裸体)が大好きなのだなと、実際に作品を目にすると感じます。

例えばウフィッツィ美術館にある「聖家族」

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筋肉質で力強く、身体をひねったマリアに注目される作品ですが、私は背景の裸体の人々が気になりました。
この背景いるかしら!? 描き込まずにいられないところが、ミケランジェロらしいですね。

ダビデ像も鍛え抜かれた若者の肉体美。

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写真はフィレンツェのシニョーリア広場のレプリカ。本物はフィレンツェのアカデミア美術館にあります。

筋肉美を愛でる西洋の文化~古代ギリシャからトム・クルーズまで

西洋では2000年以上前の古代ギリシア・ローマ時代から、鍛え上げられた逞しい理想的美を体現した芸術作品を数多く目にします。

例えば古代ギリシアのラオコーン↓

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大蛇に襲われる父と息子たちのダイナミックな身体の動き(ヴァチカン美術館)

肥沃なナイル川を擬人化した大理石彫刻「The Nile」↓

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1~2世紀に作られた作品で1513年に発掘。
不思議な多幸感に包まれており、個人的にはバチカン美術館でこの作品が一番好きでした。もちろん全裸。

イタリアの美術館、貴族の邸宅、街中を巡りますと、とにかく裸体の彫刻や絵画を何百と目にします。


嫌らしいとかそういう次元の話では無く、芸術として古代から裸体像がつくられ、堂々と飾られ、愛でられていたことに日本文化との違いを感じます。

日本では裸体の芸術はほとんど目にしませんから。

このように肉体美を大切にする価値観は今も続いているように感じます。
例えば、日本よりも身体のラインを強調する西洋のファッション、(特に)アメリカでの筋肉マッショが男らしくかっこいいという価値観にもつながっているのではと思います。

イタリアで裸体彫刻を多数目にしながら、ふと映画「トップガン マーヴェリック」を思い出しました。

上半身裸で砂浜でビーチバレー。はじける笑顔のトム・クルーズ60歳。
アメリカの永遠の美のシンボル。

鍛え上げられた肉体美を尊ぶ西洋の価値観が、
古代からトム・クルーズまで、2000年の時を超えて今も連綿と続いているのでしょう。
彼はきっと古代のトム・クルーズ(ヴァチカン美術館)↓

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「最後の審判」1000ピースパズル

ミケランジェロの作品に感動し、旅の思い出を忘れぬようお土産を購入しました。
「最後の審判」1000ピースパズル。
ヴァチカン美術館のショップで購入。

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このパズルに向き合っていると、400人以上もの人物を描いたミケランジェロのすごさがよく分かります。
あまりの細かさと難しさに、私は15分でギブアップ。
もうどのピースが誰の筋肉なのかよく分からない。

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現在我が家のダイニングルームはパズル作業場になっています。
完成するまでダイニングでご飯が食べられませんので、パズル担当の夫にはぜひ早めの完成を目指して頑張って欲しいと思います。

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EMI YAMAGUCHI


山口恵実(Emi Yamaguchi)
インテリアデザイナー
EY DESIGN代表。
海外インテリアのように住み手の個性を表現し細部までこだわったデザインが得意。
ロンドンでインテリアデザインを学ぶ。
外資経営コンサル、おもてなし料理&スタイリング教室で働いた経験をもつ。
先進国の日本だが、住居・インテリアのレベルが欧米に比べて低いことに疑問をもち、人を招きやすく豊かな空間づくりを実現するためにインテリア業界へ。
自らリノベーションデザインし、インテリア雑誌の賞にノミネートされた東京都内の築38年マンションに住む。
趣味は旅行・水泳・料理。

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